建設業許可の重要な3つの要件

建設業許可を取得するためには、大きく3つの要件を満たす必要があります。

初めて建設業許可を申請する方の8割以上が、建設業許可の種類が「知事許可一般」となるため、その場合における重要な3つの要件となります。

・経営業務の管理責任者の要件(建設業に関する経営者としての経験があるか)

・専任技術者の要件(建設業に関する資格、もしくは十分な実務経験があるか)

・財産要件(500万円以上のお金があるか)

 

建設業に関する経営者としての経験があるか

建設業における経営者として携わった年数が重要となります。

以下のどちらかを満たしていれば、この要件はクリアとなります。

・許可を受けたい建設業種において5年以上の経営経験があるか

・許可を受けたい建設業種以外において7年以上の経営経験があるか

経営経験とは

個人事業主が、会社の役員(取締役や業務執行社員)になっているかで判断となります。

それを裏付ける資料として、個人事業主の場合は「確定申告書」、会社役員の場合は「登記簿謄本における役員としての就任期間」を提示することになります。

建設業に関する経営経験が必要

経営経験があるだけでなく、その経験が建設業に関するものでなくてはなりません。

建設業に関する経験であるかは、建設業許可を取得していたか、もしくは、実際に行った建設工事の契約書や注文書、請求書が用意できるかが、判断基準となります。

※請求書の場合は入金が確認できる通帳などとの整合性の確認が必要となります。

 

年数のカウントの基準

経営経験が5年以上7年未満となる場合は、許可を受けたい建設業種についての経験である必要があります。

経営経験が7年以上となる場合は、許可を受けたい建設業種でも、それ以外の業種についての経験でも構いません。

 

例)許可を受けたい建設業種が大工工事の場合

●要件がクリアとなる例

・5年間、個人事業主としての確定申告書があり、大工工事の注文書が用意可能

・6年間、ある会社の取締役であり、その会社で大工工事の許可を取得していた

・7年間、個人事業主としての確定申告書があり、タイル工事の契約書が用意可能

・7年間、ある会社の取締役であり、その会社でタイル工事の契約書が用意可能

●要件がクリアとならない例

・4年間、個人事業主としての確定申告書があり、大工工事の注文書が用意可能

→大工工事の経営経験年数が5年未満のため

・6年間、ある会社の取締役であり、その会社で大工工事の許可を取得していた

→タイル工事の経営経験年数が7年未満のため

・7年間、個人事業主としての確定申告書は無く、タイル工事の契約書が用意可能

→確定申告書が無いため

・7年間、ある会社の執行役員であり、その会社でタイル工事の契約書が用意可能

→執行役員のため(登記簿謄本上での役員の在任期間が確認できないため※例外有)

 

建設業に関する資格、もしくは十分な実務経験があるか

この要件については、国家資格を所持しているか、もしくは建設業を行っていた実務経験が10年以上あるか(学歴によっては短縮可)、によって判断します。

 

国家資格を所持しているか

許可を受けたい建設業種によって、必要となる資格は異なります。

例えば、大工工事の要件を満たす国家資格は以下となります。

・技能検定「建築大工」の合格証書

・技能検定「型枠施工」の合格証書

・一級建築施工管理技士

・二級建築施工管理技士種別「躯体」もしくは「仕上げ」

・一級建築士

・二級建築士

・木造建築士

その他の業種については、専任技術者に求められる資格、学歴をご覧ください。

 

建設業を行っていた実務経験が10年以上あるか

許可を受けたい建設業種において10年以上の実務経験が証明できれば、要件クリアとなります。

 

従業員であっても実務経験は認められます

実務経験は、会社の従業員であったとしても認められます。当然、個人事業主としての経験や、会社役員としての経験でも実務経験と認められます。

裏付ける資料として、個人事業主の場合は「確定申告書」、会社従業員の場合は「年金の加入記録」を提示することになります。

 

許可を受けたい建設業種に関する実務経験が必要

実務経験として認められるのは、許可を受けたい建設業種に関するものでなくてはなりません。

建設業許可を取得していたか、もしくは、実際に行った建設工事の契約書や注文書、請求書が用意できるかが、判断基準となります。

※請求書の場合は入金が確認できる通帳などとの整合性の確認が必要となります。

 

専任技術者の要件がクリアできるかの具体例

例)許可を受けたい建設業種が大工工事の場合

●要件がクリアとなる例

・二級建築士の資格を所持している

・10年間。個人事業主としての確定申告書があり、大工工事の注文書が用意可能

・10年間、ある会社の従業員であり、かつ社会保険に加入しており、その会社で大工工事の許可を取得していた

●要件がクリアとならない例

・8年間、個人事業主としての確定申告書があり、大工工事の契約書が用意可能

→大工工事の実務経験年数が10年未満のため

・9年間、ある会社の従業員であり、かつ社会保険に加入しており、その会社で大工工事の許可を取得していた

→大工工事の実務経験が10年未満のため

・10年間、個人事業主としての確定申告書は無く、大工工事の契約書が用意可能

→確定申告書が無いため

・10年間、ある会社の従業員であるが、社会保険に加入しておらず、その会社で大工工事の契約書が用意可能

→社会保険に加入していないため、勤務していた証明ができないため(※例外有)

 

500万円以上のお金があるか

500万円以上のお金があることを、以下のどちらにより証明する必要があります。

・銀行より500万円以上の残高証明書が取得できるか(残高証明書記載の日付から有効期間1ヵ月)

・直近の決算書における貸借対照表の純資産の部分が500万円以上あるか

※個人事業主の場合は残高証明が唯一の手段となります。

※新設法人の場合は、直近の決算書が無いため、資本金が500万円以上となっているかで判断します。

 

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